オアフ島最西端、「カエナ・ポイント(Kaʻena Point)」は、ハワイのワイルドな自然を楽しめるハイキングコース。日陰がまったくないエリアなので、行くなら雨季(冬)の方がおすすめです。海沿いを歩きながら、クジラのジャンプも目撃できるかも。
ハワイでハイキング(TOP)
目次
カエナ・ポイントとは
カエナ・ポイントはオアフ島の最西端の岬のことで、ハワイ州が管理する公園です。公園といっても、自然の荒々しい手つかずの海岸線が続くだけの場所なので、行くとならばハイキングの準備が必要。
カエナは自然保護区なので徒歩でしか行くことができません。よく「オアフ島1周ドライブはできますか?」と聞かれますが、この最西端には車道がないため、オアフ島の1周ドライブはできないのです。
カエナ・ポイントの特徴は、おもに次の3点が挙げられます。
- アザラシやコアホウドリなど、ハワイ古来種のいきものに出会える。
- 19世紀末に使われた鉄道の痕跡がある。
- 古代ハワイアンにとって神聖な場所。
ハイキングコースは、駐車場のあるトレイルヘッドから最西端まで1本道。片道約5キロメートルを往復するラウンド・トリップです。
詳細を以下にご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
自然のいきものに出会える
カエナ・ポイントは自然地域保護区。岬のあるエリア一帯が保護区域としてフェンスで囲まれており、そこにアザラシのハワイアンモンクシールや野鳥、植物などが生息しています。
ハワイアンモンクシールは海辺でお昼寝していることが多いようです。たまにお出かけ中のこともあるようですが、筆者は行けば必ず会えるので、かなりの確率でゴロゴロしているアザラシを目撃できるはず。
下の画像は、子どもアザラシ。大きな波が来ると、ひょっこり頭を上げて頭をかいたりする仕草を見せます。
乾季(5〜10月)であれば、オナガミズナギドリ(ハワイ名は’Ua ‘u kani、英名はWedge-tailed Shearwater)、雨季(12〜4月)はコアホウドリ(ハワイ名はMōlī、英名はLaysan albatross)やザトウクジラなどがみられます。
下の画像はコアホウドリです。黒い翼と白い尾が特徴のハワイ古来種で、冬は巣を作り、夏になるとカエナを離れ、海へ旅立っていきます。
19世紀末に使われた線路
カエナ・ポイントのハイキングでは、19世紀末に使われた線路跡を見つけることができます。
ハワイの鉄道といえば、2011年から着工した「ホノルル・レール・トランジット」が頭に浮かびますが、実はそれより100年以上も前に、鉄道が存在していたのです。
鉄道は蒸気機関車で、ワイアナエ海岸とカエナを経由し、ホノルルからハレイワ、カフクを走行。当時、ハワイの第一産業であったサトウキビの輸送や労働者の移動に利用されていました。鉄道は終戦後の1947年に廃線となり、現在見られるのはその面影ということになります。
サトウキビ畑には日本からやってきた労働者が多く働いていました。筆者はこの線路を見ると、「過酷な仕事の合間、鉄道から海を眺めながら祖国を懐かしんでいた人もいたんだろうな」なんて想像をしてしまいます。
古代ハワイアンにとって神聖な場所
古代ハワイアンは、人の死後、魂は体を離れて西に向かって旅をすると考えていました。オアフ島の最西端にあるカエナは、まさに死後の国へ飛び立つ場所だったのです。
飛び立つ場所は、カエナ・ポイントのモクレイア側にある平たい大きな岩。この岩は、「レイナ・ア・カ・ウハネ」(ハワイ語: Leina a kaʻUhane、英名: Leap of the Spirit)と呼ばれています。
カエナ・ポイントにはこの岩以外にもゴツゴツとした大きな岩がたくさんあります。岩には大きな波が押し寄せてきますので、決して海に背中を向けないようにお気をつけださい。
【参考書籍】
BALL, Stuart M. Jr. The Hikers Guide to O’ahu. University of Hawaii Press, 2013.
カエナ・ポイントは11月から4月ごろがおすすめ
カエナ・ポイントは日照率が高く日差しが強いエリアです。夏季はかなり暑くなるので、行くなら雨季(11月から4月ごろ)がおすすめです。
乾季のあいだに行ったことがないのでわかりませんが、雨季でも暑さで体力が消耗するので、乾季のハイキングは想像するだけで汗が出ます。
カエナ・ポイントへの行き方
カエナ・ポイントの駐車場はヨコハマ・ベイ側(西側)とノースショアのモクレイア側(北側)の2か所にあります。
どちらの駐車場ともファーリントン・ハイウェイを突き当たりまで進んだところあります。ただ、モクレイア側は、通行止めになることもあるようなので、事前に管轄局の公式サイトをご確認ください。
トレイルヘッドは駐車場のすぐ近くなので、きっとすぐわかるはず。ヨコハマ・ベイ側の駐車場にはトイレがあります。
【関連・参考サイト】
公式サイト「State of Hawaii: Kaʻena Point State Park」
ハイキングレベル
直射日光のもとで歩き続けられる体力があれば、ハイキングのレベルは問わないでしょう。
先述のとおり、距離は片道5キロ、往復10キロのコースです。所要時間の目安は、2時間30分〜3時間程度です。
ハイキングの必須の持ち物とおすすめの服装
カエナは雨季でも日照率が高く日差しが強いエリアなので、数本の水と帽子、サングラス、日焼け止めは必ず持参しましょう。
服装はおすきなウェアでOKですが、ポイントは速乾性があり、着脱しやすものがいいです。筆者は大抵水着のうえに速乾性のウェアを着用し、念の為薄手のレインウェアをパックパックに入れています。
ハイキングあとのことを考えて、汗拭きシートや着替えもあると◎。
トレイルは未舗装ですが、スニーカーやスポーツサンダルでOK。保護区に入ると地面が砂地になるので、そこではスニーカーよりスポーツサンダルやビーチサンダルの方がいいかもしれません。
望遠鏡があれば、野鳥やハワイアンモンクシールをより近くに見ることができますし、沖合のザトウクジラウォッチにも重宝します。もしお持ちならぜひ持っていきましょう!
治安
カエナ・ポイントは昔から「治安が悪い」と言われていますが、たしかに駐車場にはガラス片が落ちており、車上荒らしの痕跡を感じることも。
ただ、基本的にはワイキキでもカエナでも旅行者が気をつけるべき点は同じです。車から離れる際は車内に物を置かず、ドアに必ずロックを。
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