ヌウアヌ・パリは、オアフ島東海岸と並行するように連なるコオラウ山脈の鞍部(尾根のくぼんだところ)にあり、カネオヘやカイルアの景色を一望できるビュースポットです。
また、この地はカメハメハ大王がハワイを統一するに至った決戦の場でもあり、ハワイの歴史的スポットのひとつでもあります。
ヌウアヌ・パリは、ホノルル・ダウンタウンとカイルア側をむすぶパリ・ハイウェイ(61号)の中間地点にあります。ワイキキからは車で30分ほどの場所なので、ドライブの休憩もかねて立ち寄ってみるのがおすすめです。
このページでは、ヌウアヌ・パリ展望台の歴史や地形の特徴、おすすめの持ち物、行き方や周辺の観光スポットもあわせてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
ヌウアヌ・パリはどんなところ?
ヌウアヌ・パリの意味、地形、歴史についてご紹介します。
「ヌウアヌ・パリ」の意味は「涼しい高地の崖」
ヌウアヌ・パリは、ハワイ語で以下の意味を持ちます。
- ヌウアヌ(Nuʻuanu)
- 涼しい高地(英語:Cool height)
- パリ(Pali)
- 崖(英語:Cliff)
ヌウアヌ・パリのある場所は、まさに「涼しい高地の崖」そのもの。どのような場所に立地しているのか、次に詳しくご紹介します。
ヌウアヌ・パリの地理
ヌウアヌ・パリ(標高365m)は、コオラウ山脈の最高地点「コナフアヌイ」(960m)と「ラニフリ」(823m)の間に位置しています。この間を島の北東方面から吹きつける冷んやりとした偏東風(貿易風)が抜けていくので、ヌウアヌ・パリ展望台はいつも風があります。
下の画像はカイルア側から眺めたヌウアヌ・パリです。向かって左の山がコナフアヌイ(Konahuanui)、右がラニフリ(Lanihuli)です。
この画像を見てみると、ホノルル側(画像奥)からヌウアヌ・パリにかけては緩やかな傾斜なのに対し、カイルア側(手前)は断崖絶壁なのが分かります。広域地図では、カイルア側がまるで「たらい」のようにも見えるのです。
これは、コオラウ山脈が250万年以上前の噴火で形成された隆起によるもので、カネオヘやカイルア側は火山活動による大きなくぼ地(カルデラ)の痕跡であることを示しています。カルデラの半分は海に侵食されて消滅していますが、もう半分は陸地として残っているのです。
展望台から見ることができる景色はいわば「大噴火の形跡」。地理や地形が好きな方には見逃せないスポットですね!
ヌウアヌ・パリ展望台から見られる景色
ヌウアヌ・パリ展望台から見られる代表的な場所をご紹介します。
- ホオマルヒア植物園(Hoʻomaluhia Botanical Garden)
- 水害対策を目的に1982年に作られた広大な敷地を持つ植物園。400エーカー(外周約6km)あります。
- カネオヘの町とカネオヘ湾(Kaneohe and Kaneohe bay)
- カネオヘは19世紀まではタロイモや米などを育てる重要な農耕地でした。カネオヘ湾は人気観光スポットのサンドバーがある場所で、オアフ島唯一のバリアリーフが広がります。
- モコリイ島(Mokoliʻi)
- 別名「チャイナマンズハット(Chinaman’s Hat)」。伝説によると、この島はモコリイと呼ばれる半神トカゲのシッポであるといわれています。
- ヘエイア・フィッシュポンド(Heʻeia Fishpond)
- カネオヘ湾へ注ぐヘエイア川の河口にある、古代ハワイアンが作った池。収穫した魚を池で育て、食料としていました。
- モク・オ・ロエ(Moku o Lo’e)
- 別名「ココナッツ・アイランド」。1940年代までアメリカ合衆国大統領など要人の保養地でしたが、現在はハワイ大学の海洋生物研究所があります。
- モカプ半島(Mōkapu Peninsula)とウルパウ・クレーター(Ulupaʻu Crater)
- カメハメア1世が重要な会議をしていた場所。半島の先端はコオラウ山脈の噴火活動でできた別のクレーターが表出しています。現在、半島はアメリカ海兵隊基地になっています。
- カパア採石場(Kapa’a Quarry)
- 1949年から開始された採石場です。
- カワイヌイ・ハマクア湿地(Kawainui-Hamakua Marsh)
- カイルアタウンのとなりに広がる湿地帯で、ホオマルヒア植物園の2倍の面積を有しています。2005年に太平洋で初めて国際的に重要な湿地帯として登録されました(ラムサール条約)。
現地に看板が設置されているので、確認しながら景色を楽しんでくださいね。
カメハメハを王に導いた決戦の地
ヌウアヌ・パリは、カメハメハ大王がハワイを統一するに至った決戦の地でもあります。
展望台には、当時の出来事をわかりやすく説明する案内板(画像下)があり、以下のように記載されています。
In the late 1700s, Kamehamaeha I from the island of Hawai’i, sought to unite all the Hawaiian Islands under one rule. The battle for O’ahu began with the arrival of his forces at Waikiki in 1795.
1700年代の後半、ハワイ島のカメハメハ1世はハワイ全島の掌握を画策。1795年、ワイキキにカメハメハ1世率いる軍が上陸し、オアフ島の戦いがはじまりました。
O’ahu had been defeated by Maui forces a decade earlier and Maui’s Chief Kalanikupule now led the forces on O’ahu. After Many hard-fought battles, he was driven up Nu’uanu Valley to this location. Both sides fought with Hawaiian spears and Western firearms but Kamehameha’s cannon gave him the winning advantage.
オアフ軍は、10年前にマウイ軍との戦いで敗北していたため、マウイ島首長のカラニクプレによって指揮されていました。激しい戦いのち、カラニクプレはヌウアヌバレーのこの場所に追い詰められました。両軍とも槍と西洋製の武器で交戦しましたが、大砲を持つカメハメハ陣が勝利に王手をかけます。
The battle, called Kaleleka’anae (leaping of the ‘anae fish), refers to the men forced off the cliff during the conflict. An estimated 400 warrieors died in this battle. With Kamehameha’s victory on O’ahu and the signing of an agreement with Chief Kaumuali’i of Kaua’i, he became the first king of the Hawaiian Islands.
この戦いは「カレレカアナエ」(「飛び跳ねる魚」という意味)と呼ばれていますが、これは戦闘中に崖から転落する兵士たちを示しています。この戦いでは、およそ400人の戦士が命を落としました。カメハメハはオアフでの勝利をもって、カウアイ島の首長カウムアリイと協定をむすび、ハワイ全島を統一する初めての王となりました。
ハワイ王国の祖であるカメハメハ大王(画像)は、強靭な肉体と明晰な頭脳を持ち合わせ、また、ハワイの神々が味方についていると言われるほど強運の持ち主だったと伝えられています。
ヌウアヌの戦いで軍を勝利に導いた武器も、ハワイ島に上陸したイギリス人と取引をして入手した最新武器であったといわれています。
ヌウアヌの戦いで勝利した時点では、カウアイ島とニイハウ島はまだハワイ王国の支配下にはありませんでした。この2つの島が加わったのは、それから15年後の1810年のことで、この年にハワイ全島がひとつの王国となりました。
旧街道「オールド・パリ・ロード」
現在、ホノルルとカイルアを結ぶパリ・ハイウェイは、1958年に展望台の下に掘られた「ヌウアヌ・パリ・トンネル」を通っていますが、それ以前は、崖沿いに作られた街道が使われていました。
その旧街道はオールド・パリ・ロード(Old Pali Road)と呼ばれており、ホノルルへ向かう行商人が通行していました。車がない時代だったので、行商人は米や魚、砂糖やバナナなどを馬やラバに乗せて移動していました。
オールド・パリ・ロードは現存しており、ヌウアヌ・パリ展望台で見ることができます。最近まではハイキングコースとして人気がありましたが、大きな岩盤が崩落するので現在は閉鎖されています。
おすすめの持ち物と注意点
ヌウアヌ・パリは風が強いため、体感温度が下がります。
お出かけの際は暑くても、上着を持参しておくと安心です。また、ときに強風が吹き抜けるので、展望台では帽子やサングラス、スカーフなどを風に飛ばされないよう、十分にお気をつけください。
展望台にはトイレがありませんので、お手洗いは事前に行っておいた方がいいかもしれません。
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ヌウアヌ・パリ展望台の基本情報
ヌウアヌ・パリ展望台の基本情報です。
名称 | ヌウアヌ・パリ展望台 (Nuuanu Pali Lookout/Nuʻuanu Pali State Wayside) |
---|---|
所要時間 | 15~30分 |
標高 | 365m(1,200 feet) |
営業時間 | 6:00~18:00 |
駐車料金 | $7 (現金は1ドル札のみ、クレジットカード可) ※ ハワイ居住者は無料です。 |
トイレ | なし |
公式サイト | 「State of Hawaii DLNR, Division of State Parks: Nuʻuanu Pali State Wayside」 |
ワイキキ中心地からヌウアヌ・パリ展望台までの地図
ワイキキ中心地からヌウアヌ・パリ展望台までの地図です。
ヌウアヌ・パリ展望台までの行き方
ヌウアヌ・パリ展望台までは、レンタカーやタクシー、Uberなどで行くことができます。
ちなみに、公共バスでは、近隣にバス停がないため行くことができません。また、展望台へ通じる「ヌウアヌ・パリ・ドライブ」もハイウェイ上から分岐しているため、徒歩でのアクセスもできません。
レンタカー
ワイキキ中心地からヌウアヌ・パリ展望台までは約15km、30分ほどの道のりです。
パリ・ハイウェイ(61号)をカイルア方面に進み、右手に「PALI LOOKOUT」の標識が見えたら、「ヌウアヌ・パリ・ドライブ(Nuuanu Pali Dr.)」に入ります。道なりに進むと到着です。
タクシー、Uber
ワイキキ中心地からタクシーやUber、Lyftを利用した場合の所要時間と乗車料金の目安(片道)です。
- タクシー
- 所要時間:約30分
乗車料金:$50前後(チップ15%、州税込み)+駐車料金 - Uber、Lyft
- 所要時間:約30分
乗車料金:$30前後+駐車料金
※ 道路の混雑状況によって変動します。
ヌウアヌ・パリ展望台の駐車場
駐車料金は、1台につき7ドルです。パーキングメーターにて、現金かクレジットカードにて精算できます。現金は1ドル札のみ、クレジットカードはMaster、Visa、American Expressのカードがお使いになれます。
現地のパーキングメーター以外にも、オンラインシステムの「paybyphone」にてお支払いが可能です。ヌウアヌ・パリのロケーションナンバー(10939)や駐車したスペースの番号、駐車時間などの必要情報を入力し、クレジットカードでご精算が可能です。
【関連・参考サイト】
公式サイト「PayByPhone」
ヌウアヌ・パリ周辺の観光スポット
ヌウアヌ・パリ周辺の代表的な観光スポットをご紹介します。
クイーン・エマ・サマー・パレス
クイーン・エマ・サマー・パレスはカメハメハ4世とエマ王妃が夏のあいだに過ごしていた家です。パリ・ハイウェイ沿いにあり、ヌウアヌ・パリ展望台より7kmほどダウンタウン側におりた場所にあります。
「クイーン・エマ・サマー・パレス」紹介ページ
フォスター植物園
フォスター植物園は1931年に開園した植物園でダウンタウンにあります。ハワイ王室ともゆかりが深く、米国の国家歴史登録財に指定されています。入園料は$5です。ヌウアヌ・パリ展望台から15~20分ほどで行くことができます。
「フォスター植物園」紹介ページホオマルヒア植物園
コオラウ山脈のふもとに広がる、カネオヘ側にある植物園です。広大な敷地内には熱帯の植物が育てられており、池ではフィッシングなども楽しめます。入園料は無料です。
ヌウアヌ・パリ展望台からは、車でおよそ15分ほどで行くことができます。
【関連・参考サイト】
公式サイト「City and County of Honolulu: Hoʻomaluhia Botanical Garden」
カイルア
ブーツ&キモズなど人気のカフェやレストラン、ホールフーズ・マーケットやダウン・トゥ・アースなどのスーパーマーケット、美しいビーチ全米1位に輝いた実績を持つカイルアビーチやラニカイビーチなどがあり、一日中楽しめる町です。
ヌウアヌ・パリ展望台からカイルアの中心地まで、車でおよそ20分ほどです。
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