冬のハワイで人気のアクティビティといえば、ホエールウォッチング。12月になるとたくさんのザトウクジラがハワイ諸島近海へやってきて数か月を過ごします。この時期にハワイ旅行を楽しむ方は、ホエールウォッチングもおすすめです。
この記事では、オアフ島でホエールウォッチングができる時期やおすすめスポット、クルーズ船でのウォッチングツアー情報(スター・オブ・ホノルル号とアトランティック号)についてご紹介します。最後には、クジラの行動についてや豆知識をご紹介しますので、参考にしてくださいね。
目次
ホエールウォッチングができる時期と時間帯
ハワイでホエールウォッチングができるのは12月から4月上旬ごろまでです。クジラは朝、昼、夕と時間に関係なく海面上に姿を現します。
ハワイの海で見られるのはザトウクジラ(Humpback Whale)です。ザトウクジラは世界中で見られますが、北半球エリアを拠点にしているザトウクジラは繁殖や出産、子育てをするために温かい南の海で冬を過ごし、夏になると餌の豊富なアラスカ沖の北極海に移動します。
クルーズ船のホエールウォッチングツアー
陸から探すより効率的にクジラに会えるのがクルーズ船で行くホエールウォッチングツアーです。クジラが現れると船内アナウンスがあるので、見逃す心配がありません。まれにイルカに遭遇するなどラッキーな出来事も期待できます。
船酔いが心配な方は、大きな船のツアーを選びましょう。さらに乗船前に酔い止め薬を服用すれば、船酔いを気にせずにホエールウォッチングを楽しむことができるはずです。
オアフ島では、大型船のスター・オブ・ホノルル号(Star of Honolulu)やマジェスティック号(Majestic)でのホエールウォッチングが人気です。
※ ツアーの多くは1月から3月までの催行ですが、12月や4月上旬でも実施している会社もあるのでこの時期にホエールウォッチングを楽しみたい方はホテルコンシェルジュや旅行会社等にお問い合わせください。
お天気がよくない日は、クジラさんを見られる確率もちょっと落ちちゃう。そんな日は船も揺れるので、ホエールウォッチングに行くときはお天気もチェックしてみてね。
スター・オブ・ホノルル号
スター・オブ・ホノルル号はハワイでもっとも大きい船体で揺れが少ないクルーズ船。ホエールウォッチングのみのプランや朝食・ランチ、アクティビティなどが付いたプランもあります。
料金 | $49~ ※ プランにより異なります。 |
---|---|
クルーズ時間 | 2時間 |
船内のアナウンス | 英語 |
船の収容人数 | 1,500人 |
公式サイト | スター・オブ・ホノルル「ホエールウォッチクルーズ」 |
スター・オブ・ホノルル号 ホエール・ウォッチ・クルーズ <冬季限定/送迎付き>
・ 2024年1月2日~3月31日の期間限定クルーズ!
・ お得なキッズキャンペーン実施中!(大人1名につき子供1名特別料金)
・ クジラが見れなかった場合、期間内の再乗船券をお渡しします。
・ お昼前にホテルに戻るので午後の時間も有効活用できます。
マジェスティック号
マジェスティック号はスター・オブ・ホノルル号よりひとまわり小さいですが、揺れが少ない船です。
料金 | $69~ ※ プランにより異なります。 |
---|---|
クルーズ時間 | 2時間30分 |
船内のアナウンス | 英語 |
船の収容人数 | 400人 |
公式サイト | 【冬季限定】ホエールウォッチングクルーズ マジェスティック号 |
ホエールウォッチングツアーみんなの感想まとめ
スター・オブ・ホノルル号とマジェスティック号のホエールウォッチングツアーについてよくある感想(良い点、残念な点)をまとめました。
♡ 良かった点 / 好きなところ(スター・オブ・ホノルル号、マジェスティック号共通)
- 天気が良くてクルージング日和。期待するほど間近で見られなかったけど、親子のジャンプを見ることができて満足です。
- 雨でしたが運だめしだと思って乗船しました。結果、たくさんのクジラに出会えたのでうれしかったです。
- クジラは見つけられなかったけどイルカが見られたので、まあまあ満足です。
- 沖から見るダイヤモンドヘッドがきれいだった。ハワイの自然を体感できたので、それだけでも乗ってよかったです。
△ 気になった点 / 残念なところ
- 船内が思ったより古かった。(スター・オブ・ホノルル)
- 英語のアナウンスだったのでクジラがどの方向に出たのか分からなかった。まわりの人の反応を頼りになんとかなったけど日本語アナウンスがあればもっとよかったかも。(スター・オブ・ホノルル号/マジェスティック号)
- クジラを見つけられなかったのですが、他の位置からは見られたようなので再乗船チケットはもらえませんでした。(マジェスティック号)
- クジラの尾が見えたけど遠かったので迫力に欠ける。望遠レンズを持っていけばよかった。
ハワイでは、船はクジラさんから90メートル以上離れなければいけないんだけど、ときどきクジラさんの方から船に近づいてきて間近で大きなジャンプをすることもあるよ!
陸からクジラを探す
陸地から手軽にホエールウォッチングを楽しむなら、以下の4か所がおすすめのスポットです。これらのスポットはいずれも観光名所でもあり、比較的アクセスしやすい場所にあります。次にそれぞれの詳細をご紹介します。
日焼け対策グッズと飲み物は忘れずに持っていってね。それから、双眼鏡や望遠鏡があるといいかも!
1. ダイヤモンドヘッド・ルックアウト
ダイヤモンドヘッド・ルックアウト(Diamond Head Lookout)」は、ダイヤモンドヘッドの下にある展望台で、眼前に大海原が広がるビュースポット。
ダイヤモンドヘッド・ルックアウトはワイキキからも近いのでシェアサイクル「Biki」を利用するのもおすすめです。トロリーをご利用の際は、ダイヤモンドヘッド・ルックアウト付近に停留所がありませんのでご注意くださいね。公共バスは「14」か「22」をご利用ください。(ルート22は廃線となりました。)
2. ハナウマ湾
透明度が高いハナウマ湾(Hanauma Bay)は、シュノーケリングや海水浴で人気ですが、ホエールウォッチングのスポットとしても最適の場所です。おすすめは、ビーチの上の展望台。ハナウマ湾全体を望む、見晴らしの良い場所です。
ハナウマ湾はワイキキ中心部から車で30分ほどの場所です。旅行会社や現地のツアーをご利用になると楽に往復できますが、レンタカーや公共バスで訪れる方も多いようです。公共バスは「22」をご利用ください。
なお、ハナウマ湾は月曜日と火曜日が休園日ですのでご注意ください。
※ ハナウマ湾の駐車場の利用料は$3です。
3. ハロナ・ブローアウト・ルックアウト(ハロナ潮吹き岩展望台)
東海岸沿いのH1(カラニアナオレ・ハイウェイ)上にある「ハロナ・ブローアウト・ルックアウト(Halona Blowhole Lookout)」は水平線が目線と同じ高さにあるので、クジラを見つけやすいスポットです。この展望台の下には、ゴツゴツした岩場が広がっており、点在する岩穴から波しぶきが吹き出るので「潮吹き岩」と呼ばれています。
ちなみに、ルックアウトから歩いて10分ほどのところにサンディ・ビーチパークがありますが、こちらでもホエールウォッチングができます。ビーチでくつろぎながらクジラを探してみるのもいいかもしれませんね。
ハロナ・ブローアウト・ルックアウトはワイキキ中心部から車で40分ほどの場所で、上述のハナウマ湾の先にあります。アクセスはレンタカーや公共バスのご利用がおすすめです。公共バスは「22」をご利用ください。
4. マカプウ・ライトハウス
「マカプウ・ライトハウス(Makapuu Lighthouse)」は、オアフ島最東端の岬に位置する灯台です。駐車場から岬の先端までは歩いて30~40分ほど。この道は「マカプウ・ポイント・ライトハウス・トレイル」と呼ばれ、手軽なハイキングコースとして人気です。
ホエール・ウォッチングは、岬の先端まで行かずともできます。歩きはじめて10分もすれば、眼下に真っ青な海が広がっているので、お好きな場所でクジラが出てくるのを待ちましょう。
なお、マカプウ・ポイント・ライトハウス・トレイルはとても歩きやすいですが、日陰がなく風も強めの場所です。帽子や飲料水を忘れずに持っていきましょう。
マカプウ・ポイント・ライトハウス・トレイル入り口へのアクセスは、レンタカーもしくはハイキングツアー等のご利用をおすすめします。
公共バスは「22」または「23」で行くことができますが、マカプウ・ポイント・ライトハウス・トレイル入り口付近にはバス停がないので、徒歩20分ほどの場所にあるシーライフ・パークのバス停をご利用ください。
陸からクジラを見つけるには、海面を広く見渡し、白く吹き出る潮吹きを見つけましょう。クジラの潮吹きは5m以上にもなるので、遠くからでも確認することができます。潮吹きを見つけられれば、続けてクジラが海上に姿を現すはずです。
海を見渡してすぐにクジラを見つけられれば、とてもラッキー! 多くの場合は、ゆっくり座って気長にクジラの登場を待つことになります。
ザトウクジラの行動
ザトウクジラが姿を見せるときによく見られる行動を一部ご紹介します。ホエールウォッチングのときにクジラの動きをよく観察してみてくださいね。
- 1. ブロウ(Blow)
- ブロウは潮吹き(噴気)としてよく知られている行動で、クジラの呼吸です。ザトウクジラはおよそ10分前後の間隔で呼吸をしています。仔クジラは5分前後と親クジラよりも短いです。
- 2. テール・スラップ(Tail Slap)
- 尾を何度も海面に叩きつける行動で、威嚇するときの行為ともいわれています。
- 3. フルーク・ダウン・ダイブ(Fluke Down Dives)
- フルークダウンダイブの「フルーク」とはクジラの尾を指します。これはクジラが深く潜るときの行動で、尾びれを伏せたまま潜る体制に入ります。反対に尾ビレを上げたまま潜るときは「フルーク・アップ・ダイブ」といいます。
- 4. ブリーチ(Breach)
- ブリーチは、体の大部分を海面上に出してから、横腹や背中を海面に打ちつける行動です。クジラがブリーチをする理由は解明されていませんが、体についたフジツボをとるためと考える説や他のグループとコミュニケーションをしている等の説があります。
- 5. ペダンクル・スロウ(Peduncle Throw)
- 「ペダンクル」とは尾の付け根あたりを指します。ペダンクル・スロウは尾を高く持ち上げてから横に投げ出して海面にたたきつける行動で、これにより激しい水しぶきが起こります。これは敵を威嚇する行為と考えられており、赤ちゃん連れのお母さんクジラによく見られるようです。
- 6. ラウンドアウト・アンド・ペダンクルアーチ(Round out and Peduncle Arch)
- これはブロウのあとに海面から背びれをアーチ状に出したときの状態のことで、深く潜水する直前の行動です。クジラがこのアーチを見せたら、しばらく潜水が続くでしょう。
- 7. ヘッド・スラップ(Head Slap)
- ヘッドスラップは海面上に頭を大きく出して海面に勢いをつけて戻る行動です。このとき激しい水しぶきが上がります。なぜこうした行動をするのかまだ解明されていませんが、4と同じく威嚇や体についた微生物をとる行動だと考える人もいます。
- 8. ペック・スラップ(Pec Slap)
- 「ペック」はクジラの胸びれです。ペック・スラップはクジラが胸びれで海面をピシャピシャと叩くときのことを指しており、クジラとのコミュニケーションのための行動として考えられています。
ザトウクジラについての豆知識
ハワイへやってくるザトウクジラについての豆知識をご紹介します。
- ザトウクジラの大きさ
- ザトウクジラの体長は15m前後もあり、仔クジラでも5mもあります。
- ハワイをめざすクジラの比率
- 北太平洋に生息しているザトウクジラのおよそ50%以上がハワイ諸島近海にやってくるといわれています。
- メスとオスの比率
- ハワイの周辺海域にやってくるザトウクジラのメスとオスの比率は1:2。メスが1頭で泳ぐことはまれです。赤ちゃんクジラを連れていることも多いですが、たいていは1頭以上のオスのクジラが一緒に泳いでいます。オスのクジラはメスの近くを泳ぎながら鳴き声(クジラの「歌」といわれています)を上げます。鳴き声を出す理由は解明されていませんが、メスのクジラへの求愛だとする考えが有力のようです。
- ザトウクジラの繁殖適齢期
- ザトウクジラの繁殖適齢期は5歳で、2~3年ごとに1頭産むと考えられています。妊娠期間はおよそ11か月半とみられています。ちなみに、赤ちゃんクジラは授乳で大きくなりますが、大人のザトウクジラは冬のあいだは何も食べず、夏に蓄えた脂肪をエネルギー源にしています。
※ 当ページで記載しているクジラの生態については、The Office of National Marine Sanctuariesの「Hawaiian Islands Humpback Whale National Marine Sanctuary(2010 Condition Report)」を参照しています。
Hawaiian Islands Humpback Whale National Marine Sanctuary
※ 記載内容については正確であるよう最善を尽くしていますが、正確性および完全性を保証するものではありません。万一、掲載内容に誤りを発見された際には、当方までご連絡いただければ幸いです。「お問い合わせフォーム」へ
※ 当サイトを利用される際は、掲載されている情報やアドバイスがご自身の状況や立場に適しているか、すべてご自身の責任でご判断のうえご利用ください。「掲載情報のご利用に当たって」へ